Interview – Sawa art Hisayoさん –

Hisayo先生を深堀りインタビュー!

2021年にレタグラフィー認定講師の資格を取得。その後も学びへの探究心を大切にしながら、カッパーレタグラフィー認定講師、和心レタグラフィー認定講師と、次々に資格を取得されています。

レタグラフィーコラボコンクールでは、2023年にレタグラフィー部門で最優秀賞を受賞。さらに2025年にはカッパーレタグラフィー部門でも最優秀賞を受賞し、確かな実力で常に注目を集め続けています。

コンクールや作品展にも積極的に挑戦し、その一つひとつを自身の成長へとつなげていきたいという姿勢が印象的です。挑戦を重ねながら表現の幅を広げ続ける姿は、多くの人に勇気と刺激を与えてくれる存在です。

そんなHisayoさんとは、どんな人なのか。深堀りして聞いてみました。

レタグラフィーコラボコンクール2025」カッパーレタグラフィー部門最優秀賞受賞

Interview

「上手くなりたい」—その一心で走り続ける。カリグラファー・Hisayoさんの挑戦の日々

レタグラフィーとの出会いが、すべての始まりだった

実は私、昔から字を書くのが嫌いだったんです。 本当に、全然興味がなかった。だから今の自分を見て、一番びっくりしているのは自分自身かもしれません。

きっかけはコロナ禍でした。 何かやろうかなと思って、レタグラフィーの教室に問い合わせたのが始まりです。大宮のゆり先生とやり取りをさせてもらって、年末から練習を始めました。

そこからずっと飽きないんです。 自分でもびっくりするくらい、ずっと書き続けています。飽きないのは、着物とこの文字だけ。
日本語はちょっと難しいけど、英文字だったらなんか書けるかなって思って始めたのが、ここまで続くとは思いませんでした。

コンクール受賞作品の裏側——「怪我の功名」から生まれた立体感

今回のレタグラフィー・コラボコンクールに出した時計の作品には、実はちょっとした秘話があるんです。

コラボコンクールなので、まず「何とコラボしようか」を考えるところから始まります。私はアルコールインクアートもやっているので、それと合わせようとは思っていました。
ゆか先生のところでサークル文字を習って、ちょうど練習していた時期だったので、せっかくだからあのグルグルしたデザインを活かそうと。
いつもだったらもっと濃い色味の、パキッとした作品が多いんですけど、今回はちょっと淡いのを書いてみようと思ったんです。
水色とピンク色みたいな、柔らかい感じのものに挑戦しました。

で、ここからが大変だったんですけど。 もともと、アルコールインクアートの紙の上に文字を書いていたんです。
エタノールを使っているので、文字がにじんで太くなるのでとっても苦労しながら何とか書き上げたところまでは良かったのですが、アクリルの時計に紙を貼り合わせる工程で、文字がにじんでしまって。涙  

もう書き直しもできない。作品にならないと思って、最終的にアクリルの上からもう一度、全部書き直したんです。 そしたらそれが、結果的に立体感が出たように見えたんですね。下に最初に書いた文字があって、その上にもう一度書いた文字が重なって、影のように見える。まさに「怪我の功名」でした。

じっと近くで見ないとわからないくらいなんですけど、光の当たり加減もあって、文字に奥行きが生まれたんです。 デザイン的には、習ったサークル文字をそのまま使うのではなく、文字が時計の外側に向かって広がっていくように配置しました。
習ったままではいけないので、そこは自分なりに考えて。オリジナルが生まれた瞬間でしたね。

レタグラフィーコラボコンクール2025受賞作品(画像をタップでより詳細をご覧いただけます)

「みんなと違うものを出したい」——コラボの発想法

コラボコンクールで毎回悩むのが、「何とコラボするか」なんです。
私の場合、「この文字を書きたい」から始まるんじゃなくて、「何と合わせよう」から始まるんですね。アルコールインクアートもたくさんやってはいるんですけど、その中で今回だったら、グルグルのデザインが時計の丸い形にはまるかなっていうのがまずありました。
それと、みんながいろんな組み合わせで出しているので、自分は何か違うものでやりたいなと思いました。
コンクール会場に、みんなと違うものがあったら楽しいやろうなって。そこからですかね、まずは。 以前は着物とのコラボをしたこともあるし、傘にしたこともあったと思います。何と合わせるか?が一番悩むところなんですけど、それがまた楽しいんです。

2023年のHisayoさんのコラボコンクール受賞作品

作品展やコンクールに出し続ける理由

私、レタグラフィーのコラボコンクールが、こういうものに初めて出した場所なんです。あの時の緊張感が、やっぱりすごい刺激だった。 それからは、声をかけてもらったら尻込みしないで出すようにしています。習っている先生にも「出すことが勉強になる」って言われていて。

去年はアルコールインクアートの作品展が2つ3つあって、カリグラフィーの作品展にも何回か出して、本当にバタバタの年でした。
仲間が「こういうのやるから、どう?」って声をかけてくれて、それに応えていたら、たまたまものすごく多くなったんです。 出すことによって、そこに集中できるんですよね。
目の前に目標があると、そこに向かって頑張れる。何もないと結構ダラダラしてしまう。でも何かあると、それに向かって練習するし、締め切りがあるから本気になれる。

もちろん、出した後に反省することもたくさんあります。「もっとこうすればよかった」「ここが書き切れてなかった」って。みんなそうなんですよ。仲間同士で「後悔やわー」って言い合って、そうやってやり過ごして(笑)。 でもね、ある先生がすごくいいことを書いてはったんです。
「グループ展には出せ。人の目に晒されよう。自分のいいところも悪いところも、まず晒されないと。その緊張感が、自分のためになる」 これがすごく励みになりました。だからみんなにも「一緒に出そう」って言っています。

「上手くなりたい」ーー挑戦し続ける源

コンクールや作品展にチャレンジし続ける源は何かって聞かれたら、シンプルに「上手くなりたい」なんです。 今の自分よりも上手くなりたい。もっと新しいものが書けるんじゃないかっていう気持ちがある。カッパープレートにも活かせるし、何にしても、今より成長したい。
誰でも最初のゼロはあるんですよ。下手な時は絶対ある。でもそのまま置いとかずに、ちょっとずつ続けるから、去年よりは良くなってるやろうとか、一昨年よりは良くなってるやろうと思いながら、日々やっています。
もちろん、落ち込むこともありますよ。周りにはすごい先生がたくさんいるし、集客がうまくいっている人を見ると、自分はそこまでできないなって思ってしまう。自分のことに一生懸命すぎて、生徒さんを増やすことになかなか時間が取れないのは正直あります。 でも、そっちに全力を注いだら、多分自分の練習ができなくなる。今は自分の成長を優先して、もう少しやっていきたいかなと思っています。

好きな書体が見えてきた——これからの方向性

この2年くらいは、何が好きかわからないまま、とにかくいろいろなものを習っていました。
レタグラフィー、モダンカリグラフィー、カッパープレート、ゴシック、ローマンキャピタル……どんどん奥深くなっていって。 でも去年くらいから、やっと自分の好きなテイストがわかってきたんです。
今は独学でレタリングっぽい文字をやっていて、それをもう少し自分のものにしたいと思っています。レタリング要素が加わった、自分がかわいいなと思う文字。和レタとモダンとのコラボだったりもやりたいです。あとは、 何も見ないでさーっと書けるようになりたいです。見ながらじゃないと書けないうちは、まだまだだと思っているので。
もう一、二年じっくり、好きな字を確立させたいですね。 そしてゆくゆくは、それをレッスンとしてちゃんと形にしていきたい。

今年の目標——「整える」こと、そして地元での作品展

実は今、一番の課題が「レッスンの申し込みフォームを整えること」なんです(笑)。
着物、アルコールインクアート、レタグラフィー、カッパープレート、モダンカリグラフィー…いろいろやっているのに、レッスンの申し込み導線がちゃんとできていなくて。
今まで単発の告知でやっていたけど、常に誰かが見た時に、すぐ申し込めるようにしたい。 これがね、簡単にできる人とできない人がいて、私は完全に後者なんですよ。ピピピってできたらいいのに、そのピピピができない(笑)。でも、春までにはなんとか形にしたいと思っています。

そして3月21日からは、地元の白河で作品展を開催します。
ピアノの先生で絵手紙をやっている人、パステルをやっている人、油絵をやっている人…地元の女性5人がそれぞれの作品を持ち寄って、ギャラリーで展示するんです。
私のコーナーはカリグラフィー。コンクールで受賞した時計の作品も持っていこうと思っています。
モダンカリグラフィーの文字を間近で見る機会って、本当に少ないんです。ポインテッドペンで書いているところを実際に見ると、みんなびっくりするんですよね。
「こんな字を書く人がおるんや」「こういうもので書けるんや」って。
まずはそういう世界があるということを知ってもらいたい。そして興味を持ってもらって、「ちょっとトライしてみようかな」っていう気持ちを持ってもらえたら嬉しいです。
すごいものを作り出さなくてもいい。楽しんで書いてもらえたら、それが一番ですから。

作品展情報

福島県の白河でグループ展を開催します。ぜひお気軽にいらしてください。

「白河グループ展」
– 期間:2026年3月21日(土)〜 4月1日(水)
– 場所:白河市内ギャラリー
– 出展:カリグラフィー、絵手紙、パステル、油絵など5名による合同展示
※詳細はHisayoさんのInstagramにて告知予定です。

福島県レタグラフィー教室 Sawa art Hiasyo 先生

聞き手:日本レタグラフィー協会代表 神馬友子
写真:本人提供

Thank you!